2011年8月29日月曜日

女性の血清脂質は閉経後に増加する

女性は、ふつう思春期から閉経期ころまでは、男性と比べて血清総コレステロール値や血清トリグリセライド値が低く、また血清HDLコレステロール値が高くなるため、動脈硬化や高脂血症になる割合は低くなっています。

ところが、50歳前後の閉経期を迎えると、急に血清コレステロール値が高くなってきます。
これは、女性ホルモン(エストロゲン)の働きが低下してくるからです。

女性ホルモンには、LDL受容体を増やす働きがありますが、それにより体内でのLDLの処理が十分に行われています。
閉経後は、女性ホルモンの分泌が低下するので、コレステロールなどの血清脂質が増えてくるわけです。
中性脂肪も当然増えるので、高トリグリセライド血症にもなりやすくなります。

また、女性が妊娠すると、コレステロールの値が高くなることがあります。
これは、ホルモンのアンバランスによる一時的な現象ですから、ふつうは治療の対象になりません。